鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ナミヤ雑貨店の奇蹟」

・ナミヤ雑貨店の奇蹟
著者:東野圭吾
出版:角川書店



「上手いなぁ〜」
読み終えての最初の感想。
この作者の場合はそう思わされることが多いんだけど、いつにも増してって感じだった。
ホント、感心したよ。



あり得ない設定を読者に納得させる第一章。
その設定をなぞる第二章。
「え?もうここで?」と設定の構図を明かしてしまう第三章。
裏を明かした上で、二章と同じように設定に乗った物語を語る第四章。
そして全てを関連づける第五章。



構成としては「第三章」の持って来方に唸らせられた。
読んでる時には
「コレって最後の方に持って来ないとダメなんじゃ…」
と思ったけど、振り返ればココしかないんだよね。
僕一番好きなのは「第四章」なんだけど、コレは「第三章」がココにあればこそ、だし。



まあ、狂言回しでもある主人公たちのキャラが薄いとか、あまりにも全てがまとまり過ぎて世界観が狭くなってるとか、不満はなくはないよ。
「第三章」「第四章」で打ち出される「親子の絆」の物語にはホントやられちゃったんだけど(泣けた〜w)、最終章の「謎解き」はそこまでエモーショナルなもんじゃなかったかなぁ…ってのも。



でもソレも本作の「瑕疵」とは言えないだろう。
実に楽しめる作品なのは間違いない。<著者は本書の自炊代行業者によるデジタル化を認めておりません。>



分かったから、早く電子書籍出してよ〜。