鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「藝人春秋」

・藝人春秋
著者:水道橋博士
出版:文藝春秋(Kindle版)



少し前にiPhoneアプリで定期配信されてたんだよね。
一、二回、DLしたんだけど、結局最初(「そのまんま東」)だけ読んで、後が続かず、DLもそれっきり・・・。
それがこういう形で一冊になると、一気に読んじゃうんだよなぁ。
アプリの時は、
「あんまり読まれない」
と何かで水道橋博士が言ってたのを聞いたけど、本の方は評判もいいし、そこそこ売れてる雰囲気。
僕だけじゃなくて、みんなそうだったんだなぁ。
それだけ、「書籍向き」の作品ということでしょう。
週刊誌的に配信ごとに読むには、真摯すぎるんですな、中身が。(題材は「藝人」なんだけどねw)



取り上げている「藝人」は以下。
・そのまんま東
・甲本ヒロト
・石倉三郎
・草野仁
・古館伊知郎
・三又又三
・堀江貴文
・湯浅卓
・苫米地英人
・テリー伊藤
・ポール牧
・爆笑”いじめ”問題
・北野武と松本人志を巡る30年
・稲川淳二



・・・改めて見ると、結構「芸人」以外も・・・。
まあ、その視点が「藝人」なのは間違いないんだけどね。
ほとんど自分の同年代以上の人物を取り上げてるあたりにも、「藝人」に対する水道橋博士のスタンスが窺えるようだ。
元になる原稿が2000年代初めのものだからってのもあると思うけど、それでも「ナインティナイン」以降がスッポリ抜けてるのは、今の芸能界を考えると特異だろう。
関西芸人をスルーしてるのも特徴的だけど、その中に松本人志だけが・・・ってのも、面白いねぇ。
(ま、たんなる巡り合わせかもしれんがねw)



ただこれらの力作達も、いずれ書かれるであろう「北野武」論の習作なのかも。
そして「それこそが読みたい」と、本書を読んで、読者もまた強く感じるに違いない。
この、師匠「北野武」に対する思い。
それこそが本書の最大の読みどころかも。
実に読みがいのある「藝人」談なんだけどさ。



しかしこんなこと考えながら芸人やってるってのも、それはそれで変わってるわw。