鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「マイ・スタンダード」

・クレイジーケンズ マイ・スタンダード
著者:横山剣
出版:小学館ebooks



果たして自分が「CKB」のファンなのかどうなのか?
持ってるアルバムは3、4枚。
ベスト盤は2種類。
カラオケで歌う曲は2曲。
まあ、「ファン」とは言えないかなw。評判のライブにも行ったことないし。
でも聴く機会の多いバンドだとは思う。



本書を読んでみる気になったのは、(一番は電子書籍化されてたのを見かけて、だけど、)「CKB」の登場に何だか唐突感があって、しかもその時点で「横山剣」が結構なオッサンだったんで、「この人、今まで何やってたんかいな?」という疑問が常々あったからだ。
そういう疑問に応えてくれるという意味では、本書は最適の一冊。
時間軸を行き来しながら自在に書かれているようで、結構しっかりした内容の自伝になってるんだよね。
ここら辺、「横山剣」という人物の根幹にある「生真面目さ」を表しているようで面白い。決してそれがストレートに表現されず、それ故に社会的には微妙な軋轢を生みがちってのもね、
こういうところが広く認知されるには一定の年輪が必要だったっていうのが、「横山剣」が認知されるのに時間がかかった理由なのかもしれない。
若造だと、こういうのって、ちょっと面倒くさいじゃんw。



意外だったのは横山氏が自分自身を「作曲屋」として自己認識しているところかな?
ライブが評判のCKBだから、当然パフォーマーとしての自信が強いんだろうと思ってたんだけど、「ボーカル」と言う点も含めて、そこら辺には「テレ」があって、圧倒的な自信は自分の「楽曲」にある。
全ては楽曲様、残るのは楽曲だけ。
この割り切りは清々しいくらいだ。
それ故のCKBっていうのも、本書で知った変遷を読むとよくわかる。
根本のところじゃ「お仲間バンド」じゃないんだよね、
ちょっと意外だけど。



まあ年代の表記間違いなんかがチョコチョコあって、編集者には「コラコラ」と言いたいところもあるし、自伝なんだからもっと写真とか入れて欲しいって不満もあるんだけど(これは単行本だとあったのかな?)、総じて興味深く読めた本だと思う。
タレント本とバカにしちゃいかんくらいの内容はある思うなぁ。一時代の横浜/本牧あたりの風俗やインディーズの流れを追いかける本としてもね。



というわけで、やはり最後は、

「イイネ!」

ってことでw。