鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

セットは実に素晴らしい。:映画評「テルマエ・ロマエ」

評判になった原作はチラ見しただけなんですが(今ひとつ画風が合わなくて)、コレって原作をどこまで下敷きにしてるんでしょう?
なんか、全般的にバランスが良くないって印象があるんですが…。




「テルマエ・ロマエ」



まずは前半のタイムスリップの繰り返し。
繰り返されること自体は物語のキモですから別にいいんですが、何か同じパターンの繰り返しって感じで、後半ダレちゃうんすよ。
そこを気にしてか小ネタで色合いをつけてはいるんですが、効果的とは言えませんね。
ここら辺は、もうちょいパンチが欲しかったです。



後半の物語的な展開に関しては、キャラの立て方が中途半端です。
現代日本から逆にタイムスリップするオッサンたちが大活躍…なんすけど、今ひとつキャラが整理されてない。
何か温泉で酔っ払ってグダグダ言ってたオッさんたちが、古代ローマでもグダグダ言いながら、それでいて能力を発揮するという、何だかよく分からない…w。
例えば一人一人に、「大工」「設計士」「熟練建設業者」みたいな設定を振ってて、現代じゃ居場所がなくなってたんだけど、タイムスリップ後には…みたいな感じがあったら、大分盛り上がりは違ったと思います。
「みんな酔っ払ってたから、タイムスリップのことも夢かと思ってた」
とかいうオチにしたかったのかもしれませんが…。



テレビ映画の「ローマ」のセットを使い回しした美術はナカナカ見所があります。
日本人がローマ人を演じるって設定には危惧を覚えましたが、存外これも上手くハマったような気がしますね。
向こうの人がどう見るかは何とも言えませんが、僕は割と感心しました。
それだけに物語のバランスの悪さが…ってところです。



結構ヒットしたと思いますが、少なくとも大ヒットするような映画じゃぁないと思うんですがねぇ。