鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ダメ親父…かな?:映画評「ファミリー・ツリー」

「伊達男ジョージ・クルーニーがハワイ在住のダメ親父を演じる」ってな感じの事前知識だったんですが、これ、「ダメ親父」ですかね?




「ファミリー・ツリー」



まあ仕事にかまけて数ヶ月、妻とまともな会話がなく、子育てにも殆どノータッチ…って設定ですからね。
まあ「ダメ」っちゃあ、ダメなんでしょう。
でも別に遊び回ってる訳じゃなく、プロとして仕事熱心で、社会的な地位もあり、それなりに常識的な考え方を持ってて、妻が昏睡状態になってからは子育てにも仕事にも親戚付き合いも一生懸命にやってて…
映画が始まってからのジョージ・クルーニーは、「伊達男」じゃあないけど、なかなか好感がもてます。
サンダルでカッコ悪くバタバタ走る姿も、それはそれで…



って感じになっちゃうところが、作り手の思う壷かw。
まあでも面白いし、好感の持てる良作だったと思います。



「家族」ってのは不思議ではありますね。



そこに「ある」のは確かなんだけど、ある面は「選択」するものであり(結婚とかね)、ある意味では「なる」ものでもある。
そこには意思も関与しているけど、運命に翻弄されている面もあり、自ら選べるものもあれば、所与のものとしてどうしようもないものもある。
渾然としていて、それでいて「ある」ことは厳然としている。



本作の中で、主人公は、自分を裏切っていた「妻」も含めて、改めて「家族になる」んだけど、その家族は「なる」前から「ある」ものあったという…



いや、何言ってるんだかわかんないですねw。
でもこのグレーな感じが、主人公の親族会議の決断につながってるんじゃないかと、個人的には思ってるんですけど。
(原題は「The Descedants」。「子孫達」?深いね)



まあしかし主人公は「ダメ親父」かもしれませんが、この妻の方も、相当に「ダメ」でしょうw。
そういう意味じゃ、「ダメ夫婦」の物語。
でも愛すべき物語です。



ラストの雰囲気も結構好きだなぁ。