鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた」

・山中伸弥先生に、人生とiPS細胞について聞いてみた
著者:山中伸弥、緑慎也
出版:講談社(電子書籍)



山中教授のノーベル賞受賞は、その直後の妙なオジサンwのお陰で何やら変な方向に話題が触れちゃった感じはあるけど、その内容、受賞年齢(50歳!僕と3つしか違わない!)、経歴とキャラ等から、昨今では強く記憶に残る受賞であった。
どの程度で医療現場に活かされるかについては教授自身が慎重な言い回しをしてるけど、それ故にこそ、リアリティを持って想像できる発見なんだと思う。
ま、だからこその「騒動」でもあるんだけどさw。



本書は山中教授の経歴とiPS細胞を巡る一連の経過、今後の可能性をまとめた作品+インタビュー…といった内容。
ノーベル賞受賞があったから注目作品になってるけど、内容は(教授自身のキャラもあって)かなり真っ当。
それでいて実に分かりやすい…ってのが特徴かな。
新聞等で漠然とインプットされてた山中教授及びiPS細胞に関する漠然とした知識に、シッカリとした枠組みをはめてもらった印象がある。
勿論、学術的、医学的には初歩的に噛み砕かれてるんだろうけど、僕ら辺りにはそれで十分だからねw。



年齢に加え、iPSの可能性のリアリティもあって、山中教授ってのはノーベル賞受賞者としては相当に「現役感」のある人だと思うね。
本書を読んでも、研究費の話やら、鬱の経験や、成果への不安等々、結構生々しい。
個人的には「ジャマナカ」エピソードより、ここら辺が面白かったよ。
「運」ってことも考えさせられたけど、同時にそれを引き寄せる資質ってのも考えさせられる。
VW=ビジョン&(ハード)ワーク
一時期ビジネス書を読んでたってエピソードもあるけど、ここら辺もソレっぽいですなw。
でもコレってある種の「真理」かもね。



決して浮世離れした学者バカじゃない。
しかし信頼を寄せるに足る愚直さがあり、チャレンジを恐れない勇気を持ち、理想へのビジョンを忘れない。



このタイミングで世に出るべくして出たって感じだなぁ。
まあ「旬」ですからw。
一読しても、損はないかと。