鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「媚びない人生」

・媚びない人生
著者:ジョン・キム
出版:ダイヤモンド社



「逆パノプティコン社会の到来」のジョン・キムが、慶応大学の自分のゼミ生に、卒業の際に贈る最終講義を書籍化したもの。
正直、「逆パノプティコン」についてはもう少し突っ込んで欲しかった気分が残ったんだけど、本書はかなり熱くなった。
確かにこれを卒業に向けて聴かされたら、気分は高揚するだろうなぁ。
40も後半になって、社会人に出る若者の気分を味わってどうするんだ、ってのはあるかもしれんけどw。



本書で作者が主張しているのは、こんな主張だ。



<自分に誇りを持ち、自分を信じ、自分らしく、媚びない人生を生きていって欲しい>
<絶対不可侵領域としての自己を確立すること>
<社会に革命を起こすことは難しく、時間がかかるものだ。しかし内面の革命は今この瞬間にスタートできる>
<内面とは「感情」「思考」「言葉」「行動」の4つで構成される>
<内面的なこの4つの強さがあれば、自然体になれる>
<外に目を向けるのをやめ、内に目を向けることだ>
<内面的な革命を起こしていくことで、自分の人生の指揮権を取り戻すことができる>(はじめに)



要は「自立し、自律した人間になれ」ってことかな。



この「はじめに」の部分だけ読んでると、
「それは分かるけど、若いやつにこんなこと言っちゃうと、自己中心的で勘違いしたヤツになっちゃうんじゃないか?」
とも危惧を覚えちゃうけど、中身に入っていくと、そう言う「勘違い」に対しては、何度も注意が喚起されている。
「自分にとっての理不尽は、相手にとっての合理である」
なんてのは、ナカナカいい視点。
基本的に「内面」を重視しているのは、「他人を変えるのは難しいけど、自分は変えられる」って考えに通じているからね。
アジア、アメリカ、ヨーロッパ等を渡り歩き、「他者」と意識的に対峙してきた作者の、現実感を踏まえた思想がここには記されていると思うよ。



こう言う本は、あーだこーだ要約してもダメで、まずは自らぶつかって見るっっていうのがいいんだろうね。
その価値がある・・・と感じるのは、僕もそれなりに馬齢を重ねているからw。
自分自身への反省と後悔を込め、本書を若い人にススメたい。



ま、今からでも身につけれるものは身につけたい・・・とも思うけどねw。