鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

上質なサスペンス、実に映画的なラスト:映画評「ゴーストライター」

なかなかの評判を聞いてましたが、評判違わぬ出来。
さすがポランスキー。
楽しませてもらいました。
こういうのを三谷幸喜にも・・・(以下、自粛)



「ゴーストライター」



ユアン・マクレガー/ピアース・ブロズナンという、華もあって、演技も出来るスターを中心に据えて、地味ながらもサスペンスフルなストーリー展開。
ドンパチや派手なアクションがなくても、十分にドキドキできます。
脚本も勿論いいんですが、やはりここら辺は演出の力が大きいでしょう。
「映画を知ってるなぁ」
って印象です。



ストンと落とす感じのラストも、映画的で実に効果的です。
考えてみたら、「なんであんな行動、とっちゃったの?」ってのもあるんですが、「映画的にはOKか」と思い直しちゃってりしてw。
「ゴーストライター」の二重の意味も、まあ途中で何となく・・・ではありますが、それでも盛り上がるトコロはありましたからね。



ここまで「大人」の出来だと、作品に深みすら感じちゃいます。
「正義」という言葉が重要な意味を持っているのですが、果たして「正義」とは何なのか?
ブロズナンが終盤で酔った勢いで吐く暴言が、それなりのリアリズムを感じさせるあたり、「勧善懲悪ハリウッド映画」とは一線を画したスタンスを垣間見たような気も。
いや、単なるサスペンス映画なんですけどねw。



まあ「大ヒット作」じゃないけど、間違いなく「佳作」。
「ステキな金縛り」を観るなら、こっちを強くオススメです(まだ言ってるw)。