鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「リーダーシップ」

・リーダーシップ 胆力と大局観
著者:山内昌之
出版:新潮新書



「蘊蓄で飾られた俗論」
・・・って印象かなぁ。
申し訳ないながら。



「現在の政治状況に危機感を覚え、歴史の中に『リーダーシップ』の類型を探り、あるべき『リーダーシップ像』を論じる」
ってな感じの本かと思ってたんだよね。
でも、どっちかって言うと、
「現在の政治状況に危機感を覚え、歴史上の人物の『リーダーシップ』を論じる中から、現在の政権与党のリーダーシップを批判する」
って作品だったんだよね、
鳩山ー菅、そして小沢一郎に対する批判的な解説がそこそこのボリュームで語られている。
まあそういう、現政権批判の本と言ってもいいんじゃないか、と。



そういう風に最初から思ってたら、こんな違和感は感じなかったんだろうけどね。
でも今更、「鳩山の普天間を巡る迷走ぶり」やら「菅の市民政治家的振る舞い」やらをあげつらってもねぇ。
「そんなの分かってるよ」
って気分に、僕はなっちゃうんだよな。



もうそれはいいから、コレからどうあるべきかを語る。
そのために歴史における「リーダーシップ」を分析し、「これから」の糧とする。



そういうのを期待したいんだけど、それは作者の「力点」とは違うんだろうね。
題材は同じでも、主張すべきポイントに差がある。
だから本書に対して僕が違和感を感じてしまうのは、作品の質や作者のせいじゃなくて、その求めるスタンスの差・・・ということになる。
まあ前二代の首相の「どうしようもなさ」は、もう分かってますよw。(その前の自民党時代も酷かったけどね)



という訳で、民主党批判をしたい方にはフィットする作品かも知れません。
僕はもういいやW。