鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ソーシャルシフト」

・ソーシャルシフト これからの企業にとって一番大切なこと
著者:斉藤徹
出版:日本経済新聞社(電子書籍)



FacebookやTwitter、mixi等のソーシャルメディアを企業として活用する必要性をとき、その具体例をあげるとともに、活用に向けての具体的な手順・方向性を論じている作品。
「企業がどうやってソーシャルメディアを使えばいいのか」について幅広い視点から記述されている。


そういう意味じゃ使い勝手がいい本なんだけど、それだけに総花的って印象もあるかなw。
個人的には「具体的な手順」のあたりは斜め読みって感じ。
これはあくまでも僕がおかれている状況や、僕のスタンスゆえだけどね。
実際に組織内でソーシャルメディアを活用しようとしている人や、そういうポジションに関係している人にとっては便利な作品かもしれないな、とは思うよ。


僕の興味だと、個々の企業の実例にはもう少し踏み込んで欲しかったって感想になる。
本書でも、震災の時のNHKの対応のパートなんかは、そういう要望に応えてくれる内容になっていた。
ただそれ以外は全般的にさらっと紹介されてる印象なんだよね。
まあかなり多くの実例はあげられているし、その気になれば一つ一つの実例をフォローすることはできるので、「実用」として本書を使う人にとっては、「入口」として十分かもしれない。
僕のように「読み物」として接すると、こういう不満を覚えるんだろうけど、これはまあ「求めてるものが違う」ってことかもしんないわなw。


果たして企業がソーシャルメディアを積極活用する時代が到来するのか?


正直僕には分からない。
でも10年前に比べればネットが社会における存在感を大きく増していることは確かだし、消費者と企業、従業員の関係もかなり変わって来ている。
その延長線上と言うことを考えても、企業としてソーシャルメディアとの距離感を考える必要性は多かれ少なかれ高まって来るんだろうなぁ
「企業」じゃない「組織」には既にそう言う兆しが現れてるし。
それが「ソーシャルシフト」と総括できるような流れになるかどうかは、何とも言えないけどね。


まあ企業のソーシャルメディア活用という意味では、現時点では総括的な内容になってる作品だと思います。