鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ゲーミフィケーション」

・ゲーミフィケーション <ゲーム>がビジネスを変える
著者;井上明人
出版:NHK出版(電子書籍)



例えばキャンペーンなんかの盛り上げを考えるとき、「ゲーム性」をどうやって盛り込むかってのは「王道」ではある。
グラフで競り合いを演出したり、対抗戦を盛り込んだり、ポイント制での賞品獲得を組み入れたり・・・。
若手のことはこう言うことを考える役回りを結構任されてたような気がする。
逆にいうと、最近あんまりこう言うのに口を出さなくなって来てるけど、これは反省材料だなぁ・・・などと本書を読みながら思ったりした。



一言で言えば、ビジネスに<ゲーム性>を取り入れて行く流れを論じた作品。
まあこれじゃあまとめ過ぎだけど、ネットやモバイルツールの進化によって「ゲーム性」を取り込む環境が劇的に進化している一方で、「ゲーム性」に対してネガティブなハードルを感じない世代が社会の中核層を担う時代となって来たってのが背景にあるかな。
それと並行して、社会が複雑化し、スピード感も大幅に増している(これは自己作用している面もあるけど) ってのもあるね。


見方を変えると、「ゲーム性」を導入することで「フロー」状態を作りやすくして、そのことで効率的で大きな成果が出るような仕組みを作り上げる・・・ってことなのかもしれない。
上手く出来た「ゲーム」には夢中になっちゃうからねw。


モバイルツールやユビキタスツールによって上手く仕組まれた<ゲーム性>によって動かされるような社会をどう思うかってのは、作者自身、懸念を覚えているとおりだと思う。
「ゲームを作る人」「ゲームに踊らされる人」ってのは、ある意味「持てるもの」「持たざるもの」と重なるところがある。
ここら辺は十分に留意する必要性があるだろう。
「ビッグマザー」の危険性はそんなところにも垣間見えるところがある。


とは言え、ここら辺の流れには結構僕は楽観的だね。
色々iPhoneやら何やらを使って、主にライフログ回りをゲーム化してるけど、結構楽しいし、結果にもつながる感じがしている。
こう言うのの人間のある種の本性にも根ざしてるのかも・・・なんて思うくらい。
こういうのがもっと社会やビジネスに組み込まれれば面白いと思うし、その可能性・現実性は結構高いんじゃないかなぁ。
僕は微妙にゲーム世代とはずれてるけど、それでもその可能性にはワクワクするものがあるよ。


ダイエットあたりとビジネスと社会変革を同列に扱うなってご意見もあるかもしれませんがw。