鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ズルい仕事術」

・ズルい仕事術
著者:勝間和代
出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン(電子書籍)



本書の中では前作「まじめの罠」について、アマゾン・レヴューで批判者と意見交換した際の勝間氏の「下心」wについて、こんな風に書かれている。



<「このやりとりがウェブ上で話題になれば、当該アマゾンのページのリンクが増えて、『まじめの罠』に対する耳目が集まり、わたしの本を知ってくれるきっかけになるかもしれない」という狙いがあった>



うーん、そうであったか。
正にその「狙い」にはまってしまい、「まじめの罠」を買ってしもうたがな。
それどころか本と一緒に電子化された珍しさから本書もDLしてるんだから、どんだけやられてんだっちゅう話ですなw。
まあここら辺のマーケティングの上手さと言うか、はっきり言えば「商売上手さ」ってのは感心するけどね。(作者自身、その点は意識的)
レヴューに関しては、確かに批判者側の歪さもやり取りの中で浮かび上がってきてて、これはこれで興味深かったってのもある。



本書については「まじめの罠」の実践編という位置づけらしいけど、言ってることはシンプル。
「効率的に仕事をしよう」
これだけ。
もう少し言葉を費やせば、
「より少ないインプットで、アウトプット最大化する途を探そう」
って感じかな。
そのために、



①自己分析力
②論理的思考力
③レバレッジ力



の必要性を掲げ、それぞれの能力を高めるためのノウハウを紹介してる・・・ってのが本書のスタンスだ。
「ノウハウ」っていっても、具体的なツールやスキルの紹介というよりは(それもあるんだけどね)、むしろ「構え」のようなものを説いてる感じかな。



成果主義の修正の流れで「プロセス重視」が言われるようになってるけど、これは「プロセスの内容を評価する」ということであって、「プロセスを踏んでる事を評価する」ってことじゃない。(端的に言えば「効率的/生産的なプロセス」を組み上げることを評価すべき)
それがなんだか「コンプライアンス重視」の流れと重なってか、「決められたプロセスを踏む事」を評価するようなトコロもあったりして、僕としては違和感も感じてた。
そういう意味では本書の言いたい事も分かるよ。
「当たり前の事」
だけど、
「それが実行できてない」
ってのも、全く同感だしね(自省としても)。



作者は「10倍」シリーズで具体的なツール・ガジェットの活用法を打ち出す事で人気になったんだけど、最近の傾向としてはこういう「構え」を重視した作品が多い。
実際のところ、ツールやガジェットを最大限活用するにはそのベースとなる「考え方」「戦略/戦術」が重要なので、このスタンスは間違ってないと思うんだけど、個人的にはチョット寂しいかなw。
最近、バイクにもはまってるようだから、IT関連から、家電、趣味、車/バイクあたりを網羅した、ガジェット紹介に徹した作品なんか出してくれたら面白いと思うんだけど、どんなもんかね?



作者は本書の最後の「謝辞」で自分のいまの悩みを書いている。



<わたしはふつうに振る舞っているつもりなのですが、それが「威張っているように見える」とか「上から目線である」「認知が歪んでいる」などと言われ、その言動で不必要な摩擦を起こしてしまっているように感じます。>



そこら辺の悩みが本書の狙いがよく見えない表紙(バイクと一緒のライダースーツ姿の作者)にも出てたりして?w
僕は別にそうは思わないんだけど、レヴュワーに突っ込んで行く姿なんか見ると、「不必要な摩擦」を起こしてると見る向きもあるんだろうね。
気にする必要なんかないと思うけど、こうやって課題認識し、それを表明する事で何らかの解決の方向性を見つけ出してくるのが「勝間和代」。



ちょっとそれは気になります。(これまた「商売上手」に・・・?)