鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「恋する原発」

・恋する原発
著者:高橋源一郎
出版:講談社



高橋源一郎作品を読むのは「日本文学盛衰史」「官能小説家」を単行本で読んで以来だから、実に久しぶり。
まあ、もともとそんなに読んでないんだけどw。



それにしても、相変わらずと言えば、相変わらず。
すっ飛んでると言えば、すっ飛んでるw。
こういう猥雑さや品のなさ、常識からの逸脱や、形式への挑戦。
「文学」と言うのがそんな側面も持っていることを思い出させてくれた。


そもそもの設定が「東日本大震災のチャリティーAVを制作する」っちゅうんだからねw。
そのストーリー(?)がどうなってるのかも今ひとつ掴みきれないながら、作品としての存在感は間違いなくある。
全く小難しいとこはないけど、含蓄はある(ような気がする)。
僕はわりと楽しんだし、刺激も受けたよ。
「現代文学」を追いかける作者の姿勢にも共感を覚える。
「私小説」的な日本純文学に対峙するスタンスは、村上春樹・村上龍にも共通している。
ちょっとトンガリ過ぎてて、世俗的評価は彼らほどじゃないけどね。


まあでも、妻や子供に薦める気にはなれんなぁw。
勝手に読む分には止めないけどさ


でももしかしたら、それこそが「文学」の正しい在り方なのかもしれんね。