鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「資本主義卒業試験」

・資本主義卒業試験
著者:山田玲司
出版:星海社新書



「山田玲司」の作品はあまり読んだことがない。


「Bバージン」は何冊か読んで「面白いな」と思った記憶があるし、インタビュー漫画(「絶望に効く薬」だっけ?)も面白そうだなと思ってた。
まあ、でも絵がね。
何か絵のタッチが合わないのよ。
漫画ではこれって決定的で、んな訳で、僕は「山田玲司」作品には距離を置いてきた訳だ。


本書を読んでみる気になったには、「漫画じゃない」(一部はそうだけど)ってのもあるけど、理由として大きいのは「星海社新書の新刊」だってこと。
「武器としての教養を若者に贈る」ことをテーマに創刊されたこの新書シリーズ。
僕は興味深いと思ってるんだよね。



内容は、作者を投影した主人公を中心とした色んなタイプのメンバーが「地獄巡り」して、「資本主義」の裏側を明らかにする… ってな感じかな?
物語形式で、「資本主義」の本当の姿をあぶり出すというもの。
読みやすくて、面白かったよ。


とは言え、「資本主義卒業試験」ってのは言いすぎかもw?


「からだ」「師」「自分」の三つを大切にして資本主義社会を生きる。


そこまでは提示されている。
でも「資本主義」の次…は提示されてないんだよね。
「次」があるんじゃない。
三つのことを大切にしながら、自分で考えて道を開いて行く先に「次」が見えてくる…かもしれないw。
そう言うことなのかもなぁ、と思いながら読み終えた。


「 自分の頭で考える」
星海社新書が訴えているのはそう言うことなのかも、と考えている。
本書なんか「自由主義」に対してかなり否定的だと思うけど、「僕武器」の瀧本氏なんかとはスタンスが異なるようにも感じる。


でも見方を変えれば、
「自分の頭で考えろ」
って言う点じゃ同じなのかもということ。
それはチョットした主義の違いなんかより、もっと根本的なところでは「同志」なんじゃないか、と。
考えすぎかもしれんけどw。


正直、もう少し深みが欲しいって感じもするんだけどねぇ。
ちょっと図式すぎるんじゃないか、と。
でもだからこそ「何か」を提示し、(ある種の)「結論」にまでたどり着けたってのもあるかな。
ま、ここら辺は難しいとこなんだよねー。