鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「まじめの罠」

・まじめの罠
著者:勝間和代
出版:光文社新書



これまた購入をどうしようか迷ってたんだけど、本書のAmazonレヴューを巡る勝間氏とコメント者のバトル(?)があまりにも面白くて買っちゃいました。
新手の「炎上マーケティング」?w
(ネットの世界はオープンであるべきと言うのが僕の基本的スタンスだけど、Amazonレヴューに関しては勝間氏に組みしたいと思ってる。
だってレヴューが2chみたいになるより、その方が僕にとってメリットがあるからね)


本書の主張を一言でまとめると、
「自分の頭で考えろ」。
もう少し言葉を費やすと、
「前提となっている枠組みに疑問を持たずに思考停止状態で努力を重ねることは、無意味どころか事態や組織のパフォーマンス等を悪化させる可能性がある 。
自分自身や自分が属する環境を客観的に把握し(メタ認知)、時に前提条件すら見直すような柔軟性を持ってトライ&エラーを繰り返すような『ふまじめ』な人材こそ今の時代には必要」
…ってな感じかな。
あくまで僕なりのまとめだけど。
僕自身は「まじめ」なキャラでないことは自覚してるけど、 だからって「怠惰」が薦められてるワケではないんですね。
残念w。


指摘される「まじめな人」のスキル不足は以下の3点。(p.71)


①ランク主義に染まり、価値観、視野に「多様な視点」がない
②「決まり」を疑うような、問題設定能力がない
③自分自身を客観視できるようなメタ認知能力がない


そして「まじめの罠」を抜け出すためのソリューション としては、


①失敗を恐るな
②問題設定そのものを疑え
③動物的な勘、身体感覚を養え
④独立した経済力を持て
⑤自分のまじめさや常識を疑え
⑥正しい自己認識を持て


の6点が挙げられている(p.141)。


「まじめの罠」の問題点を含め、「そうだよなー」ってトコが多い本だったよ。
安定的な成長が望めず、ITによって情報の量とスピードが格段に上がってしまった時代においては、「前例主義」は限界がある。
「ルール」ってのは、前例から設定されるモンだからねぇ 。
そこに囚われて「思考停止」してると、動く環境を把握できなくなってまう。
自分で考え、判断し、行動する。
正に求められるのはそんな姿勢だ。
(そのためにITが個人をエンパワーしてくれる。ジョブズが目指したのはそう言うコトだろう)


とか言いながら、個人的な本書の読みどころは、一連の勝間バッシングへの勝間氏の分析・対処するんだけどんだけどねw。
それが正しいかどうかは(まめに追いかけてた訳でもないんで)何とも言えないけど、勝間氏が正面から向かい合った姿勢には(今回のAmazonレヴューへの対応を含め)感服する。
まあそこが揶揄させたりもするんだろうけどね、またw。
(その姿勢が「まじめ」じゃん…とかさ)


本書には「まじめ教信者」のチェック項目も書かれている(p.173-175)。
自己診断して、ヤバそうなら一読してみては?


(ア)初対面の人と、10分以上会話を続けることができない
(イ)知らない価値観、意見をついつい批判してしまう
(ウ)努力する自分に酔う
(エ)まじめでないのに結果を出している人に対して敵意を持ってる
(オ)やたらとメモを取る、話が長い


…結構、自分にイタイな、コレ。