鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ガリレオの苦悩」

・ガリレオの苦悩
著者:東野圭吾
出版:文春文庫



福山雅治主演で評判になった「ガリレオ」シリーズ。
映像化に当たっては、(色気が欲しいと言う理由だと思うんだけど)柴咲コウ演じる女性刑事が登場して、主人公のパートナー役を務めていた。
原作では主人公の大学の同級生である刑事が相棒だったんだけど、これはドラマの方が上手くハマっていたと思う。


まあ多分作者もそう思ってたんだろうね。
その「内海薫」が本作から登場。
ドラマ同様のポジションに位置している。
本作の最大のポイントはココだろう。
「相棒」としては、やっぱりコッチの方がハマる感じがあったなぁ。
ドラマより恋愛要素は薄いけどね。 (この塩梅は作者の判断が正しいとも思った)


作品としては、5つの短編が収めらてるんだけど、出来としては「相変わらず」ってとこかな?
「科学トリック」の部分は、
「そんなに上手く行くかぁ?」
とも思うんだけど、ここは「お約束」に近いところがあるからねw。(そうじゃなきゃ、ガリレオが登場する意味がない)
物語としては楽しめる水準なんじゃないか、と。


惜しいのは、本作で最も長い作品「操縦る」(あやつる)。
本作の核になる作品だとも思うんだけど…、
これって「容疑者X」じゃん?w
シチュエーションもトリックも全く違うんだけど、読後の印象はムチャクチャ重なる。
「容疑者X」の水準が非常に高く、シリーズの代表作でもあるだけに、コレはダメだと思うなぁ。


まあ東野圭吾ほどの手練れでも、あれ程の作品を書き続けるのは容易ではないってコトかな。
難しいところです。
「内海薫」登場で、ドラマファンには「必読」の作品かもしれんけどネw。