鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「20歳のときに知っておきたかったこと」

・20歳のときに知っておきたかったこと スタンフォード大学集中講義
著者:ティナ・シーリグ 訳:高遠裕子
出版:阪急コミュニケーションズ(電子書籍)


もう40歳も半ばなんだけどねw。

まあしかし評判にはなっているし、会社には20代の若い同僚も次々やってくる。
あるいは彼らに推薦する本として相応しいかも・・・と思って読んでみた。

電子版になってたしw。



結論から言うと、

「うーん、どうかな」

ってとこもあるな、若い同僚に薦めるには。
本書の基本は「起業のすすめ」なんだよね。
新しく組織のメンバーになったばっかりで、まだまだ「修行中」の諸君に「起業」をオススメするのはマズイだろう。
彼らには「まずは今んとこでガンバレ」とお伝えしたいw。



一方で、じゃあ本書が「起業」を目指す人にしか向かないのかと言うと、これはそんなことはない。



<この本の物語で伝えたかったのは、快適な場所から離れ、失敗することをいとわず、不可能なことなどないと呑んでかかり、輝くためにあらゆるチャンスを活かすようにすれば、限りない可能性は広がる、ということでした。>



要すれば、「変化や失敗を恐れず、色んなことにチャレンジして行こうや」って話。
それを数々の実例を紹介しつつ、主張するのが本書の基本コンセプト。
有名どころから、学生のチャレンジまで、山ほど挙げられている具体例は、読んでて何だか「元気」が出てくるような気がした。
そういう意味では若い人にとっては「後押し」になる。
でも僕らのような「ロートル」にとっても「変化を恐れるな」ってのは、それはそれなりに「力」になる言葉ではあるね。
それが「事実」でもある「経験」も、それなりに積んでもいるしサ。

(実際、本書の中には「起業」ではなく、「組織」の中で変化を追いかける例も多く挙げられている。現状の日本の大企業ではコッチの方がしっくり来るかも。その日本企業も早々に変わっちゃうかもしれないけどねぇ)



現在の「日本社会」が既得権益に対して厳しくなってきているのは事実だと思う。
逆に言えば、「変化をチャンスに変える機会が増えている」とも言えるんじゃないかね。
「東日本大震災」はそういう日本の変化の速度を後押しするキッカケになるんじゃないかとも思っている。

そうした現状を踏まえ、「変化をチャンスとして捉え、成果を生み出す」ための「後押し」としては、本書は意味のある作品じゃないか、と。



「起業万歳」

そういう風に読むと、単なる「現状逃避」になっちゃう可能性もあるので、要注意w。