鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「バタフライ・エフェクト」

・バタフライ・エフェクト 世界を変える力
著者:アンディ・アンドルーズ 訳:弓場隆
出版:ディスカヴァー・トゥエンティワン


<あなたの今日の行動によって、
未来の世代の人たちの人生が方向づけられるのです。
どうか、そのことを知っておいてください。
その人たちはまだ生まれていませんが、
あなたの今日の、明日の、明後日の
行動によって大きな影響を受ける可能性があります。

このように、あなたのするあらゆることが重大な意味を持っているのです。>(P.57)



発売日が「2011年3月16日」。
震災後の発売になるけど、当然、それを予想して書かれたわけで
も、出版されたわけでもないだろう。

でも震災後のアレコレを思い浮かべる時、「正にこのとき」のためにに書かれたような文章であり、作品に思える。

結構、強く、心揺さぶられました。



もっともあらためて考えてみると、ちょっと「?」ってところもあるんだけどねw。

本書では「緑の革命」を担い、ノーベル平和賞も受賞した「ノーマン・ボーローグ」から始まり、彼に影響を与えた人、更にその人に影響を与えた人・・・ってな風に辿っていき、世界にインパクトを与えるような活動も、色々な人の影響を受けた上に成立しているのだ・・・と論じられている。

(それゆえ、「バタフライ・エフェクト」=「蝶の羽ばたきが、ブラジルの竜巻に影響する」になる)



でもさ、ソレゾレの連なる影響を与えた人が、結構な「大物」なのよ。
なんかそれを見ると、

「世間的に影響のないあなたの些細な行動が、世界を変える力につながるかも」

・・・みたいな風には思えないんだよね。

挙げられた連鎖の一番端に位置づけられているのは確かに「無名の農民」なんだけど、その「行動」は実に「ドラマチック」。
南北戦争の騒乱の中で、危険を顧みず、小さな命を救うことに奔走する
・・・って、それは「些細な行動」じゃないよー!

(すげぇ、感動的なんだけどね、これが)



そう言う意味じゃ、もしかしたらちょっと作品としての構成には難がある作品なのかもしれない。

ただし、それを超えた「力」が本書にあるのも、また確か。
色々文句言ったけど、読んで力づけられたのは間違いありません。



一読の価値はあるよ。
短いから、すぐ読めちゃうしね。