鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「レヴォリューションNo.0」

・レヴォリューションNo.0
著者:金城一紀
出版:角川書店



ゾンビーズ・シリーズ最終作にして、「はじまり」の物語。
悪がきどもの楽しげな盛り上がり振りが読みどころのこのシリーズ、「軽い」とは思うものの、結構好きなんだけど・・・

うーん、本作はどうかなぁ。

正直、「期待はずれ」でした。



まあ色々突っ込みどころはあるんだけど、一番納得いかないのは彼らの「行動」。
早い話が「大脱走」なんだけど、これだったら直接行動のほうがリアリティあるんじゃねぇか?
それくらい学校側のやり口は悪辣だろう。
暴走族にはキッチリお見舞いしてるんだから、実力行使を回避してるわけでもないんだよな。
教師どもと暴走族どもに差異があるほどには教師サイドの描写に手心が加えられてないんだよね。
一部、猿島のことを「何となく」ってトコがあるけど、これは唐突だろうw。

まあシリーズとしての整合性を考えると、ここで教師陣を駆逐するわけには行かなかったってのはあるんだろうけど、だからってこのバランスの悪さが納得できるわけでもないんだよなぁ。



結局のところ、金城一紀は「SP」プロジェクトで忙しくって、腰をすえて小説が書けなかったってこと?
それなら別にこのタイミングで出版しなくても良かったのに。



それなりに愛着のあるシリーズだっただけに、ちょっと残念。