鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「そうか、君は課長になったのか。」

・そうか、君は課長になったのか。
著者:佐々木常夫
出版:WAVE出版(電子書籍)



もう「課長」になって何年だ?
今さらこういう題名の本を読むってのも、何なんだけど、作者は「ビッグツリー」でうつ病の妻と自閉症の息子を抱えつつ、サラリーマンとして成功した半生を紹介してくれた人。
ある意味、「ワークライフバランス」を徹底した人なんで、その人物像への興味から読んでみた。
ま、iPhoneのアプリになってて、隙間時間に読むのに丁度良かったってのもあるしね。



<「部下を動かすのはスキルではない。
部下の心を動かす、君の高い『志』だ」>(P.2)



冒頭のこの言葉が本書の基本にはある。
手紙形式で語られるアレコレには、ノウハウやスキル的なものも少なくないんだけど、ベースに一貫するのはこういうスタンス。
そういう意味では結構アナクロなんだよね。
作者は確かに「ワークライフバランス」を実践した人物ではあるんだけど、基本的資質は「モーレツ・サラリーマン」だったりするんだよなぁw。
もっともだからこそ成果を挙げれたともいえるし、彼のアドバイスが現実のサラリーマン社会に活きるというのもある。
本書の一章は「社内政治」について論じてるんだけど、決して理想論に逃げない作者のスタンスは、実に実際的。
ここらあたりは「課長」になってから実感できるようになったとこかなぁ・・・。



まあこれからの日本社会がどうなるかは分らないけど、人間がコロッと変わるわけじゃないからね。
そういう意味では本書のアドバイスは「人間性」に関する示唆に富む部分が多く、今後も有効なものなんだろうとは思う。
一方でそれらを乗り越えていくべき「何か」を代表している面もあるような気もするけど。



サラリーマンでやってくなら、一読の価値は間違いなくあると思うよ。