鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「ラジオの魂」

・ラジオの魂
著者:小島慶子
出版:河出書房新社


震災からしばらくの間、なんだか本を読む気になれなかった。

僕にとっての重要な読書タイムである毎日の通勤時間が、計画停電やら間引き運転のお陰でナカナカ安定しなかった・・・というのもある。


その間、僕が聴いていたのがAMラジオのポッドキャスト。
中でも「キラキラ」は、震災直後の配信が止まってる間は、過去の分を引っ張りだしてきて聞き直すくらい聴かせてもらった。
以前から良く聴いてたんだけど、自分にとってこの番組がここまで楽しみなものになってるとは思ってなかったよ。


で、そんな最中に新聞の広告欄で見て購入したのが、このエッセイ。
小島慶子氏のラジオとの関わり、アナウンサーとしての考え、フリーになるに至った経緯、今の「キラキラ」について等々が綴られている。
はっきり言って、「キラキラ」ファン以外にとっては「はぁ」って本。
いいんだよ、それでw。


読み終えての感想は、
「面倒くせぇオンナだなぁ」。
身近にいたら結構シンドイかも。


学級委員みたいに「正義」を振り回す訳じゃない。
むしろ「多様性」や「柔軟性」に彼女は重きを置いている。
でもその姿勢が「まじめ」なんだよね。
「まじめ」に「かたくな」に「多様性」や「柔軟性」を守ろうとするっていうか・・・。
でもそれが「小島慶子」。
ラジオから感じられる彼女自身が良く出ている一冊だと思う。


シンドイかもそれないけど、僕は好きだよ。


「キラキラ」自身は、今ちょっとした曲がり角にあるかもしれない。
上杉隆氏をゲストから降板させることは、「キラキラ」の持つ重要な「何か」を変質させてしまう可能性もあると思っている。
一連の経緯に不透明な部分があるだけに、そんな危惧が拭えない。
(その決断に、彼女と「アクセス」以来、交流があるプロデューサーが関与しているらしいしね)


それでも、僕は「キラキラ」が続いてくれることを希望している。
確かにそこに何らかの「挫折」はあるかもしれないが、そこに「場」が残ることにこそ意味がある。
僕はそう思いたい。
第一、「ストリーム」に続いてこんな面白いポッドキャスト・プログラムを失うのはもったいないじゃん!


ところで、この本。
小島慶子氏のスナップ写真も沢山収められている。
・・・これはもう少し少なくても良かったですw。