鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

読書録「純平、考え直せ」

・純平、考え直せ
著者:奥田英朗
出版:光文社(電子書籍)



鉄砲玉に選ばれたチンピラが実行するまでの3日間を描いた小説。

孤独な人生を送ってきた21歳の青年が、3日間の間に様々な人々と

交流すると様が描かれるのと並行して、ネット掲示板で彼にアプ

ローチする人々のヤリトリが差し挟まれる構成になっている。



・・・と言う風に書くと、題名とも相俟って、

「実際のヒトとのふれあいや、ネットを介してヒトの暖かさを知っ

た青年が、新たな人生のステージに進んでいく」

みたいな話を想像するよね。

言ってみれば、「素晴らしき哉、人生」と「電車男」をミクスチュ

アした感じ?w



まあ、そういうのも「アリかな」と思うよ。

でもソコは「奥田英朗」。

そんなストレートな話にはなっていない。

そして「電車男」の頃から数年経って、ネットやソーシャルメディ

アの現状を考えたとき、このスタンスは絶妙だと思うね。

バラ色でもなく、絶望でもない・・・という。

(連載をまとめたものなので、登場するのは「掲示板」だけど、今

ならTwitterだろうね。

これがFacebookになると、もうちょい違う展開が予想されるか

な?)

ま、面白く読めました。



本書は「honto」を使って電子書籍で購入。

本で買うより、「400円」安くなったからね。

でもこの内容だと、妻も読みたかったかなー。

そうなると今の電子書籍の仕組みだと、なかなか難しいだよね、他

の人間が読むってのは。



ちょっと、そこも考えなきゃなと思ってます。