鉄砲玉に選ばれたチンピラが実行するまでの3日間を描いた小説。
孤独な人生を送ってきた21歳の青年が、3日間の間に様々な人々と
交流すると様が描かれるのと並行して、ネット掲示板で彼にアプ
ローチする人々のヤリトリが差し挟まれる構成になっている。
・・・と言う風に書くと、題名とも相俟って、
「実際のヒトとのふれあいや、ネットを介してヒトの暖かさを知っ
た青年が、新たな人生のステージに進んでいく」
みたいな話を想像するよね。
言ってみれば、「素晴らしき哉、人生」と「電車男」をミクスチュ
アした感じ?w
まあ、そういうのも「アリかな」と思うよ。
でもソコは「奥田英朗」。
そんなストレートな話にはなっていない。
そして「電車男」の頃から数年経って、ネットやソーシャルメディ
アの現状を考えたとき、このスタンスは絶妙だと思うね。
バラ色でもなく、絶望でもない・・・という。
(連載をまとめたものなので、登場するのは「掲示板」だけど、今
ならTwitterだろうね。
これがFacebookになると、もうちょい違う展開が予想されるか
な?)
ま、面白く読めました。
本書は「honto」を使って電子書籍で購入。
本で買うより、「400円」安くなったからね。
でもこの内容だと、妻も読みたかったかなー。
そうなると今の電子書籍の仕組みだと、なかなか難しいだよね、他
の人間が読むってのは。
ちょっと、そこも考えなきゃなと思ってます。