鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

ガチなミステリーというよりは、コメディ寄りの楽しい物語って感じ:読書録「パリ警視庁迷宮捜査班 魅惑の南仏殺人ツアー」

・パリ警視庁迷宮捜査班 魅惑の南仏殺人ツアー 著者:ソフィー・エナフ 訳:山本知子、山田文 出版:ハヤカワ・ミステリ(Kindle版) 邦題がもう、「コメディ」寄りw。 はみ出し者を集めた特別班といえば「特捜部Q」シリーズですが、あっちがどんどんシリア…

西浦先生との対談が物凄く興味深かったです:読書録「丁寧に考える新型コロナ」

・丁寧に考える新型コロナ 著者:岩田健太郎 出版:光文社新書 ダイヤモンド・プリンセス事件(w)で「悪評」を買った岩田先生が、「新型コロナウイルスの真実」に続いて出版したコロナ本。 第一波、緊急事態宣言…を経て得た知見を踏まえて、新たに執筆され…

この時期に作られたことには意味がある:映画評「Fukushima50」

冒頭、いきなり「2011年3月11日 午後2時46分」のテロップ。 前置きなしで、東日本大震災が襲ってきます。 ここから福島原発を襲う津波、全電源喪失…と、次々に訪れる苦難、そこへ取り組む作業員たちの苦闘、官邸・本店との軋轢…と、スピードと緊張感のある展…

「カウンター・デモクラシー」という考え方は「実践」の面から興味深い:読書録「リベラルの敵はリベラルにあり」

・リベラルの敵はリベラルにあり 著者:倉持麟太郎 出版:ちくま新書 リベラルの中からリベラルの現状について批判的に評する動きが出てきてますが(「リベラリズムの終わり」とか、「なぜリベラルは敗け続けるのか」とか)、本書はそういう流れの中で最も「…

うわ〜、無茶苦茶オモロいやんか:映画評「シカゴ7裁判」

まあ、「法廷もの」って結構な確率で面白いんですけどね。 しかしその点を加味しても、これはかなり面白かったです。 2時間10分。 全然、退屈しませんでした。 観る前は、正直「お勉強モード」もあったんです。 ドキュメンタリーじゃないんで、「私はあなた…

鑑賞の一つの「尺度」として、面白かったです:読書録「絵を見る技術」

・絵を見る技術 名画の構造を読み解く 著者:秋田麻早子 出版:朝日出版社 絵画鑑賞に関しては僕は完全に「感覚派」(言い換えれば、「何も考えずに見る」w)なんですけど、そう言うスタンスでも、 「なるほどね〜」 って感心させられました。 「感覚派」と…

決めつけてるのは自分…と言うお話:映画評「アイ・フィール・プリティ!」

他人は外見で人間を判断する。 だから自分はイキイキと生きていくことができない。 …そう決めつけて、生き方を制約してるのは「自分自身」なんだよ というお話。 確かジェーン・スーさんがお勧めしてたんですよね。 それでprime Videoのマイリストに入れてた…

娯楽小説として申し分ないです:読書録「葬られた勲章」

・葬られた勲章<上・下 > 著者:リー・チャイルド 訳:青木創 出版:講談社文庫(Kindle版) トム・クルーズが映画化したことでも知られる<ジャック・リーチャー >シリーズの、日本翻訳の最新作。 日本では「最新作」ですが、本国で出版されたのは「2009…

「進めてみて、マズいところがあったら修正する」という線しかない:読書録「虚妄のIT立国ニッポン」

・虚妄のIT立国ニッポン 著者:新型コロナ問題取材班ほか 出版:宝島社 「技術のニッポン」 とか言って「過去の栄光」で自分を誤魔かすんじゃなくて、 「決定的にデジタル化は欧米にも、アジアにも遅れていて、ここで舵を取り誤ったら、国家としての衰退の道…

「大笑い」させてもらうつもりだったんですが…:読書録「悔しみノート」

・悔しみノート 著者:梨うまい 出版:祥伝社 <「ジェーン・スー生活は踊る」のお悩み相談コーナーから生まれた本> …ってことで、「これは楽しく笑えそう」と、深く中身もチェックせずに購入したんですが…。 …いやぁ、なんだろ。 笑えるとこもあるんですけ…

西欧的民主主義が日本には根付いていないから、日本らしい方法で…とか言い始めるとヤバイとは思ってます:読書録「たちどまって考える」

・たちどまって考える 著者:ヤマザキマリ 出版:中公新書ラクレ ヤマザキさんがそう考えてるって訳じゃないんですよ。 <ここまで書いてきて感じているのは、日本はもしかすると、成熟すること自体に興味がない国なのかもしれな、ということです。日本へや…

連作の色合いが強い新シリーズ:読書録「ネヴァー・ゲーム」

・ネヴァー・ゲーム 著者:ジェフリー・ディーヴァー 訳:池田真紀子 出版:文藝春秋(Kindle版) ジェットコースターっぶりは相変わらず。 大向こうを張るどんでん返しより、捻りとドライブが効いた展開。 …って感じでしょうか。 少し前なら「リンカーン&…

もう一歩、実務的なところに踏み込んだ話が聞いてみたい:読書録「共鳴する未来」

・共鳴する未来 データ革命で生み出すこれからの未来 著者:宮田裕章 出版:河出新書 「人新世の『資本論』」が、資本主義に対抗する新しい<コミュニズム>を打ち出してるのに対して、個人的には「(少なくとも日本では)まだ資本主義の枠組みでやるべきこと…

こっからやん!:読書録「死亡通知書 暗黒者」

・死亡通知書 暗黒者 著者:周浩暉 訳:稲村文吾 出版:ハヤカワ・ミステリ(Kindle版) 「一気に読んじゃう」 と評判の中華ミステリ。 一気に読んじゃいましたw。 「三体」同様、本作も3部作の一冊目。(主人公の「羅飛」のシリーズはもっと他にもあるよう…

「清貧」を<ジジイの繰り言>から<若者の指針>とできるか:読書録「人新世の『資本論』」

・人新世の「資本論」 著者:斉藤幸平 出版:集英社新書 「脱成長」とか言われると、(作者自身が指摘するように) 「高度成長の恩恵だけをしっかり享受したくせに、<清貧>とか言って、貧乏を次世代に押し付けようとする老人たちの繰り言」 って感じがしな…

こういうオッちゃんには引き続き頑張って欲しい…気がしないでもない:読書録「恥ずかしい人たち」

・恥ずかしい人たち 著者:中川淳一郎 出版:新潮新書 「あれ?引退したんじゃなかったっけ?」 …「セミ・リタイア」で、ネットメディアの編集からは一切手を引いた…ってことのようです。 こういう物書き業の方はどうなんでしょうね? なんか「ジジイの繰り…

「じゃあ、何してる会社なのか、分かった?」と訊かれると、「何となく…」:読書録「Learn or Die」

・Learn or Die 死ぬ気で学べ プリファードネットワークスの挑戦 著者:西川徹、岡野原大輔 出版:KADOKAWA AI(人工知能)について日本を牽引するような企業「らしい」プリファードネットワーク(PFN)について、創業者2人が説明した本。 「人工知能って、…

ヘンリー・カヴィルのシャーロックはチョット「いい人」過ぎるかも:映画評「エノーラ・ホームズの事件簿」

Netflixオリジナル(というか、コロナ禍で公開ができなくなって…って流れかな)の新作。 「シャーロック・ホームズの妹」が主人公の映画です。 「推理」よりは「冒険」って感じですかね。 ま、ドイルのホームズ自体がそういう傾向の作品ですが。 個人的な期…

「利権」という枠で括るのはもったいない:読書録「ドキュメント 感染症利権」

・ドキュメント感染症利権 医療を蝕む闇の構造 著者:山岡淳一郎 出版:ちくま新書(Kindle版) 作者ご自身の問題意識は 「今のコロナ対策で顕わになった感染症対策のミスマッチは、明治以降の日本の医療行政にある<組織の論理>や<利権構造>に根ざしてい…

スターウォーズの世界を楽しめます:ドラマ評「マンダロリアン<シーズン1>」

人間、様々なエイリアン、ドロイド(ロボット)、星々の多様な環境とそれに適して進化したクリーチャーたち、多様な文化・哲学・政治・組織… そういう多彩な「スターウォーズ」の世界観を楽しみ、その中での生活を想像する…という感じだと、この「マンダロリ…

キャラがイイ。続編が楽しみです。:読書録「ストーンサークルの殺人」

・ストーンサークルの殺人 著者:M.W.クレイヴン 訳:東野さやか 出版:早川書房(Kindle版) 停職明けの刑事、その刑事の元部下で上司になった女性警部、そして学研肌で度を越した世間知らずの女性分析官。 このトリオがすごく「イイ感じ」なんですよね。 …

Netflixでドラマ化とかして欲しい:読書録「その名を暴け」

・その名を暴け #MeTooに火をつけたジャーナリストたちの闘い 著者:ジョディ・カンター、ミーガン・トゥーイー 訳:古屋美登里 出版:新潮社 「ここまでやるのか!」 と読んでて驚くくらいでした。ハーヴェイ・ワインシュタイン・サイドの工作の方ですけど…

この「沼」にはハマらないようにして来たんですがね:村上RADIO第17回

先月もあったばかりなのに…。 いよいよ「本職化」して来ましたかね。 先週放送されたのを知らなくて、慌ててradikoでフォローしました。 例によって丁寧な書き起こしのHPはこちら。 https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/ クラシック。 「ジャズ」というふか…

こういう問題提議がされることが<変化>につながる:映画評「監視資本主義」

SNSやスマホが何をもたらしているか? そのことをIT産業のインサイダーたち(結構トップを務めた人も出演します)が強い懸念を持って語るNetflixオリジナルのドキュメンタリー。 IT企業に「悪意」があるわけではないけど、「広告ビジネス」を効率的に推進す…

長いシリーズになりそうなんで、早いとこ続編を出して欲しい:読書録「その裁きは死」

・その裁きは死 著者:アンソニー・ホロヴィッツ 訳:山田蘭 出版:創元推理文庫(Kindle版) 「メインテーマは殺人」に続く<ホーソーン&ホロヴィッツ>シリーズの第2弾。 作者自身を<ワトソン役>にして、メタ的な設定と本格推理をマッチングさせた展開…

「世界史」の穴を埋めるモンゴル帝国:読書録「モンゴル帝国と長いその後」

・興亡の世界史 モンゴル帝国と長いその後 著者:杉山正明 出版:講談社学術文庫(Kindle版) 「遊牧民から見た世界史」を読んで、ユーラシア大陸での遊牧民国家の重要性に興奮し、「風の谷のナウシカ」の読み直しから<西方>国家への興味も掻き立てられ…っ…

スタイリッシュに作り込まれた美術と、王宮時代劇と、アクション:映画評「王の涙〜イ・サンの決断」

Huluにあるヒョンビン作品の流れで視聴。 ちょっと見始めたら、途中で止められなくなっちゃったんでw。 最初に惹き込まれたのは美術の素晴らしさ。 朝鮮王宮を重厚な感じに作り上げて、そこで繰り広げられる「曰くありげ」な人間模様と、王宮のしきたり的な…

矢吹丈に「余生」はないけれど:読書録「一八〇秒の熱量」

・一八〇秒の熱量 著者:山本草介 出版:双葉社 本書に関してはこのレビューが言い尽くしてくれています。 っうか、コレ読んで、読んでみる気になたんですけどw。 <崖っぷちボクサー、狂気の挑戦> https://honz.jp/articles/-/45775 「狂気」に陥るのは、…

プリンセスの再定義と儒教的価値観の混沌:映画「ムーラン」

最近のディズニーは、「男性の愛を掴むプリンセス」というプリンセス観を再定義して、「1人の人間としてのプリンセス」を描こうと、意識的ですが、この「ムーラン」もその流れの一つ。 最もそれが先鋭的に描かれていると言ったもいいかもしれません。 その点…

いやはや、ここんとこは難しいです…:読書録「同調圧力」

・同調圧力 日本社会はなぜ息苦しいのか 著者:鴻上尚史、佐藤直樹 出版:講談社現代新書 もうねぇ。 個人的にはこの「同調圧力」ってのが大っ嫌いで、それを避けることが自分自身の最大のテーマ(笑)だったりもして来たんですが…。 それがここに来て…。 い…