鈴麻呂日記

50代サラリーマンのつぶやき

閉所恐怖症気味でも大丈夫:映画評「ハンターキラー」

ジェラルド・バトラー、ゲイリー・オールドマン共演のアクションスリラー映画。

興行成績はパッとしなかったようです。

 

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ハンターキラー 潜行せよ

 

「面白くない」訳じゃないんですけどね。

潜水艦・潜入部隊・ペンタゴンの3面で進行するドラマは、それなりにドラマチックではあります。

(ロシアのクーデターを米軍が阻止する…って話ですからねw)

ただまあ、「それなり」なんですよねぇ。

 

僕はちょっと「閉所恐怖症」の傾向があって、潜水艦ものは苦手だったりもするんですが(「Uボート」とか)、本作については全く平気でしたw。

それっぽいシーンはあるものの(いざとなったら飛ばしちゃおうと思ってたw)、切迫するような緊張感はなく、「ああ、こんな感じだよね〜」って、記号的な描き方がされてるだけって感じが…。

まあ、そんなのやってたら、3、4時間やってても足りない、そう言うのがお好きなら「Uボート」をどうぞ…ってことなのかもしれませんがねw。

 

ゲイリー・オールドマンもなぁ。

なんかキャンキャンわめいてるだけって印象。

実はこいつが裏で糸を引いてて…ってな展開になるんじゃないかと密かに「期待」してたんですが(なんせゲイリー・オールドマンだからw)、危機が終われば、「Good Job!」ってな感じw。

いや、だったらゲイリー・オールドマンにやらせんでもエエやん。

 

ラストの展開はちょっとひねりが効いてて面白いんですが、「ジェラルド・バトラー」に観客が求めてるのはコレじゃないでしょう。

いっそトマホークを裸で止めてみせるくらいのことは…w。

 

全体としては悪くない。

なんだけど、ちょっとずつ期待を下回ってて、トータルでは「う〜ん…」って映画でした。

 

PS 本作は北欧版「ミレニアム」シリーズのミカエルくん<ミカエル・ニクヴィスト>の遺作でもあります。

なかなかの存在感でした。

合掌。

 

続けて一気に聴いた方がいいかも:村上RADIO第7回<村上JAM①>

もはや定例番組と化したw「村上RADIO」の、公開録音。

25日と1日に分けて放送されます。

毎度のことながら、radikoで通勤中に聴きました。

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充実のオンエアレポートはこちらw。

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https://www.tfm.co.jp/murakamiradio/

 

今回の放送はクラリネット奏者の北村英治さんを迎えての演奏と、俳優の高橋一生さんの朗読がメイン。

山中教授とのちょっとした対談もありましたが、あんまり必要性は…(失礼!)。

 

まあ、今回だけ聴いても、ちょっと物足りない感じ。

2回分を一気に聴いた方が良いような気がします(1日は今回分の再放送に続いて2回目が放送されるようです)。

全体の感想は、後半も聴いてから、ですかね。

 

ちなみに「北村英治さん」。

「90歳」だそうです!

音だけ聴いてたら、まったくそんな気がしません。

スゴイ、スゴイ。

 

ちなみに、クラリネット奏者って、なんとなく長生きしそう…。

 

すみません。

根拠ありませんw。

 

さて、次週のセッションはどこまで放送されるのかな?

 

 

なりきり!チェット・ベイカー:映画評「ブルーに生まれついて」

「MILES AHEAD」を観終わって、

「そういや同じ時期に公開されてた…」

と言うことで、この作品。

イーサン・ホークが「チェット・ベイカー」になり切ってますw。

 

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ブルーに生まれついて

 

この作品は1970年代、チェット・ベイカーが麻薬がらみの喧嘩で表舞台を去ってから、復帰するまでを描いた物語。

「なるほど、こんなことが…」

と思って、後から調べたら、

「ほとんどフィクション」!

何より彼を支える女性が、全くの<架空の人物>という…。

「MILES AHEAD」もそうだったけど、なまじリアリティがあるだけ、こっちの方が罪が深いのではないか、と。

物語としては、非常によくできてるんですけどねぇ。まあ、「物語だから」と言う…w。

 

(ちなみに実際のチェット・ベイカーの人生においては、本人も相当にどうしようもない人物だっただけでなく、関係した女性たちも問題が多かったようです。

真偽のほどはわかりませんが、菊地成孔さんの評をご参考までに。

 

<菊地成孔『ブルーに生まれついてBORN TO BE BLUE』を語る>

https://miyearnzzlabo.com/archives/41279

 

冒頭、50年代のチェット・ベイカーを、驚くほどの「2枚目ぶり」でイーサン・ホークが演じます。

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終盤、色々あってくたびれ果てたベイカー。

でもそれでもカッコいいんですよね、これが。

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晩年のチェット・ベイカーは<皺くちゃおじさん>になっちゃうんだけどw。

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<ジャズ>のある種のファンタジーを描いた映画。

と言えますかね。

言葉を選ばずに言えば「懐古趣味」。

それが悪いわけじゃなくて、実際、僕も音楽も物語も楽しみました。

 

ただまあ、「前向き」じゃあないなぁ、とは思います。

「MILES AHEAD」に比べれば、映画としての完成度は数段上でしょう。

好き嫌いでも、映画としてはコッチの方が僕も好きですよ。

でも主人公を比べると、「MILES AHEAD」の方がイイなぁ。

 

どっちも「クズ野郎」ではありますがw。

(ま、もともとチェット・ベイカーの演奏は「ブルー」過ぎて、チョイと苦手だったってのもあるんだけど。

夜のバーでのBGMとしてはともかく)

 

 

 

 

なりきり!マイルス・デイビス:映画評「MILES AHEAD」

 

ドン・チーゲル監督・主演・脚本・製作を務めたマイルス・デイビスの「伝記」映画。

…つうか、ほとんど「ファンタジー」w。

一応、70年代の「空白の5年間」を題材にしてるんですが、まあさすがにこんなことはないですわな。

(実質描けれてるのは、<2、3日>やし)

 

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MILES AHEAD/マイルス・デイヴィス空白の5年間

 

じゃあ、全くの「絵空事」かって言うと、そんなこともなく。

二番目の夫人フランシス(Someday My Prince Will Come…の彼女ですな)を軸に、過去のマイルスの音楽活動や人生がカットバックで描かれていて、これはこれで「なるほどなぁ」って感じです。

マイルスのこと知らない人が観たら、「はあ?」やろうけど。

 

で、ドン・チーゲル。

もう「なりきって」ます。彼の主観的にはw。

「声」なんか、バッチリですわなぁ。

ただ容姿の方は…。

マイルスが見たら激怒するかも…w。

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でもラストの「LIVE」は結構「マイルス」なんだよなぁ。

50年代・60年代の演奏については、

「もうちょいジックリ聴かせてほしいな」

とこもあるんですが、ラストのLIVEはシッカリ観せて、聴かせてくれます。

曲はロバート・グラスパー作。

要は「前に進み続けるマイルス(MILES AHEAD)」の<今>を思い描いてのLIVEになってるわけです。

 

大きな声じゃ言えないけど、「doo-bop」も嫌いじゃない僕としては、このラストはちょっと嬉しかったです。

 

<What’s Wrong with That>

https://youtu.be/HK0tvAZaM04

 

<セッションシーン>

https://youtu.be/8VB0wIF7Z2E

 

いや、マラソンセッションとか、大好きなんですけどね。

 

ま、映画としての出来は「?」なところはありますよ。マジで。

でも後期のマイルスや今のジャズシーンに興味がある人は楽しめるかも。

 

ちなみ横でゲームしながらナガラ見してた息子の感想。

「クスリやって、酒がぶ飲みして、タバコ吸いまくって、銃ぶっ放して、カーチェイスして。

クズやん」

まあねw。

 

 

 

マイケル・ダグラスの演技に感心しようとは…:ドラマ評「コミンスキー・メソッド」

Netflixオリジナルドラマ。

マイケル・ダグラス、アラン・アーキン主演で、30分ほどのコメデイドラマ全8話(シーズン1)。

予告編を見て、「1話だけでも…」ってとこから、2日で一気見してしまいました。

 

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コミンスキー・メソッド

 

マイケル・ダグラスはね〜。

ちょっと癖のある、怪演っぽい役者…って印象で、いつだって「マイケル・ダグラス」、決して「演技達者」って感じじゃ僕にとってはなかったんですけど(+セックス依存症w)、本作では「元名優で、現在は演技指導クラスを経営中」って役柄。(アラン・アーキンはそのエージェント)

で、この二人の掛け合いの「演技」が見どころの作品なんですよね。

じつは演技達者だったか、マイケル・ダグラス。

 

「フレンズ」とか「ファミリー・タイズ」とか、一昔前のシットコムは結構好きだったけど、今それを楽しめるかっていうと「…」。

若くはないしね。

でも「今」はこう言うのを楽しめるようになってる。

 

体力は衰えてきて、連れ合いには先立たれ、娘はヤク中で、税金の滞納で苦労しetc,etc

人生、「バラ色」じゃぁないけど、長い付き合いの友人とそれなりにやって行ける。

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そんな感じのコメデイ。

ダニー・デビートやエリオット・グールドなんかも大物ゲストも楽しめます。

 

シーズン2も決定したとか。

楽しみ、楽しみ。

 

ここ10年で最も不愉快な読書だったかも:読書録「スクールセクハラ」

・スクールセクハラ  なぜ教師のわいせつ犯罪は繰り返されるのか

著者:池谷孝司

出版:幻冬舎文庫

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「まちの本屋」で、さわや書店フェザン店長・松本大介さんが退職前に仕掛けた最後の本として紹介されてた作品。

帯に松本さんの強い問題意識と意欲が表れています。

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本書は、共同通信の記者が取材した中から、3件の事例を取り上げ、こうした問題に取り組んでいる団体(スクール・セクシャル・ハラスメント防止全国ネットワーク)の設立経緯や取り組み、新聞連載後に明らかになった事例を紹介…という構成となっています。


いやぁ、過去振り返って、この10年で最も不快な読書体験でした。(過去一番かも)

でも子供を持ってる人は一読しておくべき本でもあります。


学校の現状がどう言う状況で、どう言うリスクと限界が潜在しているのか。

何かが起きた時、どう言う事態が想定されるのか。


不快だけれども知っておくべきことです。


自分自身を振り返っても、もっと子供達の様子や学校サイドの対応力なんかを、センシティブに見ておく必要があるなぁ…と。

何か事件があると、

「先生が…」「学校が…」「教育委員会が…」

ってなるし、それはそれで当然なんだけど、その前の<予兆>を如何に逃さないようにして、自分の子供を守るのか。

それが如何に難しいかも、本書では指摘されてるんですがね。

(個人的にはSNSが状況を変えてくる面もあるとは思ってます。

まあ、良くも悪くも…です)


「あとがき」に書かれてるような対策は是非ともやって欲しいです。


・早い段階からの第三者委員会による調査

・文科省に教師のわいせつ事件防止についての検討会議の設置

・小中学校でのスクールセクハラに関するカンケーとの実施

・教員養成課程や新任研修、監視力研修でのスクールセクハラに関する学習の義務化


やれん様なもんじゃ全然ないでしょう。


<いじめ対策法改正が暗礁に 超党派議員の試案に被害者ら反発「大人の都合より子供の命を」>

https://www.sankei.com/life/news/190509/lif1905090032-n1.html


ま、こんな動きには凹みますが…。


子供を持つ人、教育者は、不快な思いを押さえつつも、是非一読を。

 

子供にはオススメ出来ませんw:漫画評「今宵は誰と」

・今宵は誰と  小説の中の女たち

著者:喜国雅彦

出版:双葉社(Kindle版)

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喜国雅彦の書評マンガ。

朝日新聞の書評欄で取り上げられていました。


「こう言うオススメ本なら子供たちも読めるか」


…いやいや、全然オススメ出来るような内容じゃありませでしたw。

(ちょっと「怪しいかな?」と思ってKindle版を購入したんですが、正解でした)


女性を描くのが好きな漫画家が、二番目に好きな読書と併せて、「小説の中に出てくる女性を描く」


そう言うコンセプトの本なんですが(「それなら楽しんで描ける!」…って思惑通りには行ってないようですがw)、「喜国雅彦」ですからね。

その女性の趣味が…(「月光の囁き」参照w)。

まあ、そんな女性ばかりが取り上げられてるわけでもないんですが(ポリアンナとか)、表現としてはそっち系というか…。

<マンガ>としては面白いんですけど、ちょっと親が子供にススメルようなもんじゃないです。


まだ連載中らしく、漫画としては<to be continued>。

続きが出版されたら、また読むかな。

…コッソリとw。